◇僕たちのバックハンドストロークの歴史
時代とともに進化する!1980年代〜現代までのATPトッププロに学ぶ「バックハンドストロークの歴史変遷」
こんにちは!埼玉県上尾市の自然に囲まれたテニスクラブ「上尾グリーンテニスクラブ」です。
日頃の練習のなかで、「バックハンドが得意」「もう少し高い打点から攻めたい」など、バックハンドに課題やこだわりをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
テニスの技術は、ラケットやガットの進化、そして相手選手のプレースタイルの変化とともにダイナミックに進化を遂げてきました。今回は、1980年代から2020年代の現在に至るまで、ATP(男子プロテニスツアー)ランキング上位選手たちがどのようなグリップ、テイクバック、スイング、ボール軌道でバックハンドを武器にしてきたのか、その歴史的変遷を振り返ります。
1. 1980年代:片手バックハンドの黄金期とスライスの戦略的活用
代表的選手:イワン・レンドル、ジョン・マケンロー、ステファン・エドバーグ
1980年代前半まではウッド(木製)ラケットからグラファイト(カーボン)ラケットへの移行期であり、バックハンドは「片手」が主流でした。
- グリップ&テイクバック: イースタン・バックハンドグリップが主流。テイクバックはクラシカルに大きく後ろへ引き、身体を深くひねる形が特徴でした。
- スイング&軌道: フラットドライブや、滑るように低く跳ねるスライスが中心。特にマケンローやエドバーグのようにサーブ&ボレーを多用する選手は、アプローチショットとして打点の低いスライスを自在に操り、相手の足元へ球を集めました。一方、レンドルは重いトップスピンを打つ現代的片手バックの先駆者となりました。
2. 1990年代:両手バックハンドの台頭とライジングショット
代表的選手:アンドレ・アガシ、ピート・サンプラス(片手)、ジム・クーリエ
1990年代に入ると、ラケットの進化(高反発化・軽量化)とともに、ベースラインからの強打で主導権を握るプレーヤーが増加します。ここで「両手バックハンド」が一気に世界トップの標準へと押し上げられました。
- グリップ&テイクバック: 右手はコンチネンタル、左手はイースタンで握る「両手打ち」が増加。コンパクトなテイクバックから、体の回転をフルに使って振るスタイルが定着します。
- スイング&軌道: 代表格のアガシは、相手の打球が弾んだ直後を叩く「ライジングショット」を武器としました。打点を前で捉え、フラットドライブで相手の時間を奪う軌道が主流となり、サンプラスのような片手バックハンドの選手も、強力な両手打ちに対抗するために高速のパッシングショットや厳しいスライスでコースを突き合う展開が繰り広げられました。
3. 2000年代:ポリエステルガット革命と超回転・ハイテンポ化
代表的選手:ロジャー・フェデラー(片手)、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ
2000年代に入ると「ポリエステルガット(ポリガット)」が急速に普及します。スナップバック(ガットがズレて戻る動き)による強い強烈なスピンが可能となり、ラリーの弾道とテンポが劇的に変化しました。
- グリップ&テイクバック: より手首を自由に使える「セミウエスタン〜ウエスタングリップ(左手)」の両手打ちが増加。テイクバックはコンパクトかつ円運動を描くループ状へと進化しました。
- スイング&軌道:
- 片手打ちの至宝(フェデラー): 高い打点からの推進力あるドライブと、相手の勢いを殺す極上のスライスを打ち分け、芸術的な片手バックを確立。
- 圧倒的な安定感(ジョコビッチ、ナダル): ジョコビッチは深い柔軟性と軸足の強さを活かし、どんな厳しい体勢からでも「面がブレないカウンター」を両手で叩き込みました。ネットより高い位置を通る大きな軌道で深いコントロールを保ちつつ、チャンスでは鋭いダウンザライン(ストレート)を放ちました。
4. 2010年代〜2020年代(現在):超高速化・オープンスタンス・攻撃的バックハンド
代表的選手:カルロス・アルカラス、ヤニック・シナー、ダニール・メドベージェフ、ステファノス・チチパス(片手)
現代のテニスは、コートのあらゆる位置から超高速ラリーが繰り広げられる時代です。相手の高速サーブや強烈なトップスピンに対応するため、バックハンドの技術もさらに合理化されています。
- グリップ&テイクバック: 打点を前で確保するため、準備(テイクバック)は極限までコンパクトに。現代トッププロのシナーやアルカラスは、テイクバックの無駄を徹底的に削ぎ落としています。
- スイング&軌道: 「オープンスタンス(足を横に開いた状態)」からの打球が当たり前になりました。体幹の回転力と左手の押し込みを最大限に使い、高い打点からでも抑えの効いた高速ドライブを放ちます。打球軌道は低く鋭い直線状でありながら、スピン量もしっかり確保されており、ディフェンスから一瞬でオフェンスに切り替える「カウンターパンチ」としての役割が強くなっています。
まとめ:自分のプレーに活かすバックハンドのヒント
こうして歴史を振り返ると、バックハンドストロークは**「大きく振るクラシックな形」から、時代が進むにつれて「コンパクトな準備と体幹を使った高速スイング」**へと進化してきたことがわかります。
- 片手の魅力: リーチの広さやスライスとの相性の良さ、流れるような打球感
- 両手の魅力: 高い打点への強さ、ブロック性能の高さ、リターンでの安定感
どちらのスタイルにも歴史的背景とそれぞれのメリットがあります。現代プロの「コンパクトなテイクバック」や「身体の軸を保つ意識」は、普段のテニスライフにもすぐに取り入れられる要素です。
上尾グリーンテニスクラブのコートで、ぜひ色々な打点や体の使い方を試しながら、ご自身にぴったりのバックハンドストロークを探してみてくださいね!皆さまのご来場を心よりお待ちしております。
