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【コーチの休日】

2026.04.03

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「王子・飛鳥山公園」散策

春の穏やかな平日、赤羽駅から京浜東北線に揺られて降り立ったのは王子駅。駅周辺は都内でも屈指の交通結節点であり、JR京浜東北線に加え、都電荒川線、そして東京メトロ南北線が交差する利便性の高いエリアです。さらに目の前を走る明治通りには絶え間なく車が行き交い、「都会の動脈」としての顔を強く感じさせます。
その一方で、駅を一歩出るとどこか懐かしさを覚える街並みが広がります。古くからの商店や雑居ビル、そして生活感の残る路地。再開発が進む都内において、ここ王子には“変わらなさ”という価値がしっかり残っています。
駅前にそびえるサンスクエアは、スポーツ施設や飲食店、インターネットカフェなどが入る複合施設。テニススクールも併設されており、テニスコーチとしては自然と目が行ってしまいます。さらに生活を支える東武ストア 王子店もあり、地域密着型の街としての機能も充実しています。私の知る限り、このレイアウトや佇まいは40年前と変わりませんね。

今回の目的地は、駅のすぐ裏手に位置する飛鳥山公園。江戸時代、八代将軍・徳川吉宗が庶民のために桜を植え、「花見を楽しめる場所」として開放したのが始まりとされています。つまりここは、日本における“公共の花見文化”の象徴的な場所の一つなのです。
訪れた4月3日(金)の午後は、まさに桜が満開のピーク。青空の下、見上げるほどに広がる桜の枝が一面を覆い、淡いピンクと白のグラデーションが視界を埋め尽くします。レジャーシートを広げる家族連れ、写真を撮る人々、静かに花を眺める年配の方まで、平日にもかかわらず多くの花見客で賑わっていました。
公園内から見下ろすと、都電荒川線がゆったりと走り抜けていきます。近代的な鉄道とは異なり、どこか時間がゆっくり流れているような感覚。さらに少し歩けば京浜東北線の高架を見下ろし、都市交通の多層構造が一望できます。この「過去と現在の共存」は、王子という街の大きな魅力の一つでしょう。
また、王子はかつて製紙業で栄えた街でもあります。明治時代には日本初の洋紙工場が設立され、現在の王子ホールディングスへとつながる産業の礎が築かれました。こうした歴史があるからこそ、単なる住宅地ではない、独特の文化と産業の香りが残っているのです。もちろん新一万札の渋沢栄一も活躍した一人です。
さらに裏通りに入ると、昭和の面影を色濃く残す飲食店や商店街が点在しています。最新の再開発エリアにはない、どこか人の温もりを感じる風景。こうした街並みは、日々忙しく過ごす中で忘れがちな“余白”を思い出させてくれます。
こうした時間は非常に貴重です。プレー技術の向上だけでなく、心のリフレッシュや感性のリセットもまた、パフォーマンスに直結する要素。満開の桜と歴史ある街並みに触れながら、改めて「整える」ことの大切さを実感しました。
「王子・飛鳥山公園」は、決して派手な観光地ではありません。しかし、長い歴史に裏打ちされた文化、今も変わらず続く生活の営み、そして四季折々の自然が調和する、非常にバランスの取れた街です。
皆さんも次の休日、少し足を延ばしてみてはいかがでしょうか。きっとそこには、忙しい日常の中では気づけない“豊かさ”が静かに広がっています。

 

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